リウマチ科

リウマチ科を受診される方へ

リウマチ科

リウマチとは

そもそもリウマチとはリウマチ性疾患を意味し、関節、筋肉、骨、靭帯、腱といった運動器に痛みや炎症などをきたす病気の総称になります。同疾患の病気としては、関節リウマチ、リウマチ性多発筋症、変形性関節症、五十肩、骨粗しょう症、痛風、腱鞘炎などが挙げられますが、多くは膠原病(自己免疫疾患)もしくはその類縁疾患が生じている場合と定義されているので、関節リウマチ、全身性エリマートデス、リウマチ性多発筋痛症などが、リウマチ性疾患の対象となることが多いです。また変形性関節症などは慢性関節疾患に分けられます。なお自己免疫疾患のあるリウマチ性疾患で代表的な疾患は関節リウマチで、単にリウマチと呼ぶ場合は、関節リウマチを意味することが大半です。

主なリウマチ性疾患

関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、リウマチ性多発筋痛症、血清反応陰性関節炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎 など

関節リウマチとは

関節リウマチは、30~50歳代の世代の方に発症しやすいと言われ、男性よりも女性に多いのも特徴です。ちなみに男女比は1:4とも言われています。

発症の原因につきましては、特定されたわけではありませんが主に免疫異常(自己免疫症状)によって起こると考えられ、左右対称の手指、肘、膝、足を中心とした関節の腫れ(関節骨膜の炎症)、疼痛、朝方のこわばりなどの症状がみられ、さらに進行すると関節変形や破壊といった現象も起きるようになります。また発症の際は、3つ以上の関節で腫れや痛みがみられます。このほか、関節外症状としては皮下結節、全身症状として、疲れやすい、微熱、体重減少などがあります。

患者様の症状から関節リウマチが疑われる場合、診断をつけるための検査として、血液検査、関節液検査、画像検査(X線、MRI、超音波検査)などが行われます。血液検査で、リウマイド因子・抗CCP抗体・CRPが陽性、赤沈も上昇しているのであれば、リウマチの診断を受ける可能性は高いです。

治療について

診察や検査などから治療が必要となれば、保存的療法、薬物療法、リハビリテーション、手術療法が行われます。なお関節リウマチの治療の目的は寛解(症状がほぼ消失し、臨床的にコントロールされている状態)です。

保存的療法は、安静にしたり休養を十分にとるといったことですが、あまり関節を動かさないでいると可動域が狭くなったりするので、時には運動をする必要もあります。

薬物療法では抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)の服用が中心で、症状の進行を遅らせたり、抑えたりする効果が期待できます。上記の薬だけでは不十分な場合は、生物学的製剤による注射、点滴を行います。また、内服薬にしても注射にしても副作用が懸念されるので、定期的に検査を受ける必要があります。

また、薬物療法のみの治療で関節を動かさないでいると、筋力の低下、拘縮した関節可動域がさらに狭くなってしまうことからリハビリテーションも同時に行います。その内容とは、消炎・鎮痛・血流改善などを目的とした物理療法、関節可動域訓練や筋力の保持を目的とした運動療法のほか、作業療法(主にQOLの向上が目的)、装具療法になります。

また手術療法(外科的治療)については、薬物療法では効果がなく、関節破壊が進んでいる状態などの場合に行われます。その目的は、関節可動域の改善と痛みの緩和といったQOLの向上です。主な手術療法は以下の通りです。

骨膜切除術 関節破壊の進行を予防するために骨膜を切除する方法です。最近は薬物療法が進歩したことで、同施術は減少傾向にあります
人工関節置換術 膝・肘・股間の関節で行われることが多いです。関節破壊の進行により可動域にも制限がみられ、強い痛みも残っている関節を人工関節に入れ替えることで、QOL(生活の質)が向上する場合に行われます。
関節固定術 関節破壊が進行することで強い痛みが出ている状態で、関節を固定することで痛みが取り除ける、動作が行いやすくなるという際に適用されます。手や足の関節などでよく行われます。